債務整理の費用相場と支払い方法

債務整理を検討する際に気になるのが費用の問題です。弁護士費用や裁判所費用の相場、分割払いの方法など、債務整理にかかる費用について詳しく解説します。

債務整理の種類別費用相場

債務整理にかかる費用は、選択する手続きの種類によって大きく異なります。任意整理の場合、弁護士費用は債権者1社あたり3〜5万円程度が相場となっています。司法書士に依頼する場合は、1社あたり2〜4万円程度とやや安くなります。

任意整理では裁判所を通さないため、裁判所費用はかかりません。ただし、過払い金が発生している場合は、回収額の20〜25%程度の成功報酬が別途必要となることがあります。例えば、5社から借入がある場合の任意整理費用は、弁護士費用で15〜25万円程度となります。

個人再生の場合、弁護士費用は30〜50万円程度が相場です。司法書士に依頼する場合は25〜35万円程度となりますが、司法書士は書類作成のみを行い、裁判所での手続きは本人が行う必要があります。

個人再生では裁判所費用も必要で、収入印紙代として1万円、予納郵券代として数千円、個人再生委員が選任される場合は15〜25万円程度の費用がかかります。住宅資金特別条項を利用する場合は、さらに収入印紙代として1万円が追加されます。

自己破産の費用は、同時廃止と管財事件で大きく異なります。同時廃止の場合、弁護士費用は20〜40万円程度、裁判所費用は2〜3万円程度です。管財事件の場合は、弁護士費用が30〜50万円程度、裁判所費用(予納金)が20万円以上必要となります。

特定調停は本人が手続きを行うため、弁護士費用はかかりません。裁判所費用のみで、債権者1社あたり500円程度の収入印紙代と数百円の郵券代で済みます。ただし、手続きが複雑で時間がかかるため、専門家に依頼する場合は別途費用が必要です。

費用の支払い方法と法テラスの活用

債務整理を検討している方の多くは経済的に困窮している状況のため、費用の支払い方法は重要な問題です。多くの法律事務所では、依頼者の状況を考慮して分割払いに対応しています。

任意整理の場合、受任通知の送付により督促が止まるため、その間に弁護士費用を積み立てることができます。通常、月2〜3万円程度を3〜6ヶ月間積み立てて費用を支払い、その後に債権者との交渉を開始するケースが多いです。

個人再生や自己破産の場合も、多くの事務所で分割払いが可能です。ただし、裁判所費用については申立て時に一括で納付する必要があるため、事前に準備しておく必要があります。

経済的に困窮している方は、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用することができます。この制度では、資力基準を満たす方に対して、弁護士費用の立替えを行います。

法テラスの資力基準は、単身者の場合は月収が18万2,000円以下、2人家族の場合は25万1,000円以下などと定められています。また、保有資産についても基準があり、単身者の場合は180万円以下となっています。

法テラスを利用した場合の費用は、通常の弁護士費用よりも安く設定されています。任意整理の場合は債権者数に応じて8万8,000円〜15万4,000円、個人再生の場合は住宅資金特別条項なしで22万円、ありで33万円、自己破産の場合は13万2,000円〜20万9,000円となっています。

立替えられた費用は、原則として月5,000円〜1万円程度の分割払いで返済します。生活保護受給者の場合は返済が免除される場合もあります。

弁護士費用以外にも、債務整理後の生活設計を考慮する必要があります。債務整理により月々の返済負担は軽減されますが、信用情報への影響により、しばらくの間は新たな借入が困難になります。この期間中の生活費や緊急時の備えについても計画しておくことが重要です。

債務整理の費用について不安がある場合は、複数の法律事務所で相談し、費用や支払い方法について詳しく説明を受けることをおすすめします。初回相談を無料で行っている事務所も多いため、まずは相談してみることから始めましょう。

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